配筋検査と問題発覚

先日、建築家氏と構造設計者さん、確認審査機関検査員立ち合いによる配筋検査が行われました。ここで問題発覚。

問題点1

基礎コン打設方法が違う。計画当初より底板と立ち上がりを一回で打設する一体打ちが希望であると何度も伝え、図面にも記載があったのに二度打ち施工になっている。

問題点2

二度打ちする場合、打ち継ぎ部は止水板での防水が必須なのに、止水板を施工する気がなかった(これは施工前に問題が発覚したので実害はなかったけれど…)。

問題点3

建物位置が申請図面から100mmも横にずれており、結果的に確認申請の変更手続きが必要(費用の発生)。

基礎の打設方法

ベタ基礎を施工する場合、底板と立ち上がり部分を別々にコンクリート打設する「二度打ち」が一般的です。

基礎打設方法

出典:県民住宅

上の図の左が二度打ち。施工が下手だと打ち継ぎ部がずれたり、隙間から水やシロアリが侵入する危険性がUPします。
我が家は基礎の一部が基礎スラブレベルと接地レベルが逆転するため十分な止水策が必須です。そのため当初より一体打ちを希望しており、打ち合わせで何度となく確認し、図面上にもその旨記載がありました。それなのに…相談なく、二度打ち。
後から聞いた話によると、山側に設置する擁壁との兼ね合いで「一体打ちは技術的に不可能だった」とのことですが、だったら先に言ってほしかった。

基礎の防水処理

基礎を二度打ちする場合、打ち継ぎ部には止水板をはめて防水するのが普通の施工です。

止水板

出典:fad建築事務所

この写真で、鉄筋にクリップで留められているのが止水板。

図面上から建物の位置がずれている

そして極めつけはこれ。現場監督さんがいうには、隣家(両親宅ではなく反対側のお隣さん敷地)との敷地境界を示す境界杭が1つどうしても見つからず、確実に離隔距離を取るために念のために余分に逃げた(距離を取った)とのこと。

うん、言いたいことはわかる。わかるが、お願いだから事前に相談して!

人間がやることなので、何事にもミスや勘違いが起こりえることは十分に理解しているし、些細なことにギャーギャー目くじら立てる気はありません。
変更点も見積額の増額も、合理的な理由と誠実な説明があれば基本的には工務店さんを信用して受け入れるつもりもあります。
でも、見積もり時に度重なるミスが発覚し、あまりにミスが多いので「完全な見積もりになるまで契約しない」と伝えてたっぷりと時間をかけ(こちらが思った以上にたっぷりすぎるほど時間を使って)て見積もりを作成し、契約時に「この見積から変更はもうないですね?あとから追加費用の請求はありませんね??」と確認したうえでの契約書調印だったのに・・・。

施工者側に声を大にして言いたいのは、施主というのは基本的に建築工事については素人だ、ということ。中には設計士さんなどももちろんいるでしょうが、家づくりについては全く詳しくないし家を建てるのは今回が初めてで最後、という人が大半なはずです。その一生に一度の買い物に3,000万円、4,000万円を支払うのですから、間違えちゃった、言ってなかったでしたっけ?では済まされないということを十分理解していただきたいです。

今回の配筋検査で唯一救われた点は、配筋そのものはとても綺麗で丁寧な仕事がされていたということ。
冒頭の写真は我が家の配筋です。建築家氏も褒めていました。

コメント

  1. こんばんは!(ご無沙汰しております!)
    ううう着工したら予想外の問題発覚…MP削られますよね…
    多分うちもまだ気づいてないことがありそな気がします(気付いたものは詰めましたが、手遅れだったものもあります…)。
    基礎に関してはうちは脱枠が中1日で計画されていたり(質問すると中3日になった)、止水板?!え、そんなのあったかしら(汗)という感じなのですが(笑)
    工務店さんを信用したい気持ちはあるものの、重なると辛いですよね。
    りらーっくすりらーっくすです!(・∀・)つ旦 
    背後から応援してます!
    それにしても背筋きれいですね~頑丈そうでホレボレです♡

    • まっくさん
      おお、いらっしゃいませ!
      MP、本当にごそっと削られます…しかも工務店さんがアレでアレなんで…辛いです。しかし型枠外しが中1日って!!!
      超高速で固まる特殊なコンクリなんでしょうか?とか聞きたくなりますね。と、いいつつ、我が家も昨日の夕方に打設が終わって、今朝すでに人ががしがし歩いてるんですが、いいんだろうか…
      止水板ですが、基礎の打ち継ぎ部が完全にGLより上なら施工しない業者さんもいるそうです。シロアリ対策にもなるので、個人的にはどんな場合であっても四方にしてほしいと思いますが、そこは考え方はそれぞれ、くらいのレベルらしいです。
      温かい応援を背に、下調べで防御策を講じながら、でもカリカリすることなく頑張ります~

  2. 家を設計中でブログ参考にさせていただいてます。2度打ち事情もあるんでしょうが、相談なくはまずいですね。位置の件もありえないと思いました。
    コンクリートの止水ですが、CS-21というものが高性能ですので相談されたらいかがでしょうか?
    通常エンタープライズ向けなので、家を建てる建築屋さんはご存知ないかも知れません。

    • shiroさん
      コメントありがとうございます。そうなんです。技術的に難しいから一体打ちはできないということであれば、ちゃんと説明されれば納得もするのですが、相談なしで勝手にやっているという姿勢が問題ですよね。
      こんなことを繰り返されると、ほかの部分は真面目に施工して頂いていたとしても手抜き工事なのではないかと疑いたくなってしまいます。
      止水の件、情報ありがとうございます。CS-21というのは硬化したコンクリートへの浸透材なんですね。材料だけの販売なしということで敷居が高いかもしれませんが、建築家氏に相談してみます!

  3. とぼけた工務店をしっかり管理チェックするのも設計士と構造やの役目ですから
    しっかり仕事してもらいましょ
    施主なんですから少々上から目線の物言いで良いと思いますよ
    先はながーいですから溜め込まなようにしないと持ちません

    と経験者は語るwww

    • ワチチさん
      竣工おめでとうございます!うらやま!!しい!!
      そうなんですよねー、設計が終わった建築家氏のお仕事は施工管理なので、建築家氏自身もおっしゃっていましたが些細なことでも気づいたことがあったら建築家氏に連絡して、あとは建築家氏と工務店さんでやり取りしてもらうのが正しい姿ですよね。
      今の調子だと竣工までに白髪化してしまいそうなので(苦笑)経験者のお言葉をありがたく頂戴して、でんとしておきたいと思います。

  4. うわー。見積でもさんざん不安を感じさせた工務店さんですが、ここまでとは。選定の理由とかこれまでに断れなかった理由も聞いてみたいですが、いろいろ差し障りがあって書けないのかな。

    • ジェイさん
      見積もりの段階から、何度か「もう工務店を変えてやる!!!」って思ったことがあったのですが、建築コンサルティング会社の契約関係で工務店変更すると大ごとになってしまうようで、主に建築家氏に迷惑がかかると聞いて諦めました…。建築家氏は気にせずに決断してください!って言ってくださったんですが、そこまででもないかと自分を納得させました。いま思えば、やっぱり大ごとにしておくべきだったのかもしれません(苦笑)