理想の家を考える
建築家氏にファーストプランを作成していただくにあたって自分の家に対する希望を考えたとき、どんな家にしたいか?というよりもどんな家で暮らしていきたいか?を考えました。
この二つ、似ているようで結構違うな、と思っています。家って、家族のための箱なんですよね。生活するための舞台ともいえるでしょうか。自分のライフスタイルを具現化した価値観にあった家で、心地よく暮らしていきたい、というのが理想。アイデンティティの発露としての家ではなくて、そこでの暮らし方が重要です。
家づくりとは、家を建てることが目的ではなく「これから暮らしていきたい家を建てる」ための作業なんだ!こんな当たり前のことに気づいたら、するすると「我が家の理想の家像」が浮かんできたのでした。
我が家の理想の家とは
まず第一条件は小さな家であること。娘が独立後に一人暮らしになった際に持て余さないよう床面積は最小限に。次に個室を作らない、ということ。個室(特に子供部屋)は後で用途の変更が難しいので最初から不要!と割り切りました。
また娘はすぐに大きくなりますので、添い寝のできる畳スペースや常に子供に視線の届くリビングなど、子育て目線の設計は一切考えないことに。
こんな風に新しい家での暮らしをイメージして自分の生活に必要なもの/不要なものを選別していったら、自然と理想の家像が形作られていったのでした。
建築家への伝え方
家づくり指南書などには、自分のイメージを伝えるために『要望書』を作りましょうと書かれているものがありますが、私は子どもが二人だから3LDKで、リビングは広いほうがいいから20畳で、キッチンは対面で…というような要望や、「明るい家」や「ヨーロピアンカントリー風」などのイメージも建築家氏には一切伝えませんでした。
建築家氏に伝えたのは以下が必要ということと、
- ファミリークローゼット ・・・脱衣洗面所からのアクセスがいいもの
- 玄関土間収納 ・・・主にキャンプ道具収納用
- バスルームは寝室のそば ・・・LDKとは分けて完全にプライベート空間に
- LDKの一角にワーク&スタディスペース ・・・自宅勤務なので。将来は娘の勉強スペースと兼用
そして「子育て目線の間取りは不要です」ということだけ。
子育て目線の家づくりをしない
小さな子供と一緒に生活をしている中で家づくりをしていると、どうしても子供目線・子育て目線の設備や間取りに目が向きがちですが、子供が子供でいる時間は驚くほど短いです。
当然ながら大人だけの暮らしと比べたら、彼ら/彼女らに配慮しなければならない事はありますが、それを「建築」というハードに落とし込む必要性がどこまであるのか?はじっくり考える必要があると思います。
我が家は娘が一人だけ、ということもあり、子育てという視点を家づくりからすっぱり切り離しました。
我が家の間取り
建築家から提案されたファーストプランを何カ所か修正してもらいながら、最終的には上の図のような間取りになりました。
部屋のつなぎ方、各部屋の大きさなどは全部お任せしました。結果として、要望は上の間取り図通りすべて叶えられ、かつブレずに最後まで生き残ることになりました。
素人(私)があれこれと思いを巡らすよりも構造も含めて部屋の配置を効率よくまとめてもらえてよかったし、私の「理想の住まい方」のようなものも感じ取ってもらえたので、内装などの話に入ってからも建築家氏との意思疎通がしやすかったです。
一方、(私が)ブレブレだったのは宅内のイメージ!(汗)
本blogを最初から読んでくださっていた方は、きっと「最初は無垢の木で作ったナチュラル系キッチンがいいって言ってなかったっけー?」なんて思っていらっしゃることでしょう…。お恥ずかしい…。もともとインテリアに興味はあったのですが、いかんせん生まれ持ったセンスが不足しているので「この家に似合うもの」を見つけるのにずいぶん時間がかかってしまいました。
いやー、ブレた、ブレた。我ながら感心するくらいブレました。
無垢キッチンの他に、コラベルやサブウェイタイル、アクセントクロス、ニッチ、ヘリンボーンのフローリングは当然通り過ぎた道でした。これらは今でもデザインとしていいなと思っているけれど、今回の家には似合わないと気づいて最終的にばっさりカット。そして最終的に得た結論はSimple is the best、ほぼ一切の装飾をなくた内装という…(汗・汗)
ものすごく遠回りをした気がしますが、これも家づくりあるある…かな?(私だけ?)
コメント
こんにちは。
お久しぶりです。
そろそろ念願の着工にはこぎ着けられそうでしょうか?
はるさんには及びませんが、我が家もなんとか6月に着工したものの
竣工延び延びタイプなのでイメージのブレは凄く分かります!
考える時間が下手にある分ブレてる時間もあるというか、、
ただ、かけてる時間の長さは伊達ではなく
思考としては研ぎ澄まされていく感覚はありますよね。
当初良しと思って決めた仕様も時間が経つにつれもう見飽きたな、、
という謎の満足感でやめる、みたいな。(手に入れてもいないくせに。笑)
更にここに減額調整という現実要素も乗っかってるので
事態はより一層複雑になりますし。。
予定のスケジュール期間内でバシッと決める人凄いです(´∀`;)
こぐまさん
着工おめでとうございます!
イメージ、ブレますよね…。「当初良しと思って決めた仕様も時間が経つにつれもう見飽きたな、、という謎の満足感でやめる」、とてもよくわかります。思わずモニターにむかってうんうんと何度も頷いてしましました。
そして研ぎ澄まされていくというのもまったくその通りだと思います。あれもこれもと盛っていたもののうち、ぜい肉部分がそぎ落とされてシャープになる感覚。
もともとシンプルを心がけていたはずなのですが、後から見直すと要らないものが多くてびっくりしました。
建築家氏も「かかった時間は無駄じゃないですよ!」と言ってくださるのですが、でも一方でスケジュール通りに進んで、高揚感のあるまま家づくりを終えられる方たちが羨ましくもあります(笑)
謎の満足感、計画もない私も頷いてしまいましたww
はるさんのブログを拝読していて同じ気持ちになったのかもしれません。
はるさん邸の候補のひとつにザイザル麻もあって、親戚の家が全居室床暖で、DK部分をそうしてたな〜と思っていました。
ニッチで悩んでいたこともあったんでしたっけ?
結構最初のうちから拝見していたかと思っていましたが、記憶から抜けてしまっていました!
こういう間取りがいいな…と、よく間取り図を見ますが、はるさんのような要望の伝え方でもバシッと形にしてくださる方もいらっしゃるのですね。
住んでみてから、あれこれ付け足したり変えてみたり、やりたければ出来るので、はるさんのsimple is bestが最も素敵な住まいになるんだと私は思っています。
kyokoさん
旅行をしよう!と思って下調べしすぎると満足してしまう、みたいな感覚と一緒ですよね。空想建築はお金がかからなくてよいなぁ、と今になって思っています(笑)
サイザル麻!ボロン!って騒いでましたよね(笑)サイザル麻は今でもいいなぁと思うのですが、建築家氏と「素材の数は極力少なくしよう!」という話になったので結局使いどころがなくてお蔵入りに…。
我が家が大きなワンルームみたいなつくりではなく、もう少し区切られている家だったら寝室はサイザル麻っていうのもアリだったなーと思っています。
あれもいらない、これもいらないと削っていくうちに、結局造作家具もほぼゼロになりました。造り付けてしまわなければ、いつでも模様替えも家具を変えるのもできると思うと、建物の竣工ではなくてそこでの生活が長く楽しめる気がしますよね。